精神神経の障害
コンピューター作業による精神神経の障害はテクノストレス症と言われますが、これにはVDT作業による精神的ストレス以外に、高速でしかも正確で緻密な作業が要求される心理的負担、コンピューターに振り回されて陥る主導権喪失感や孤立感、さらに対人関係障害や人格変容に陥ることも含まれます。
機械的作業が精神的ストレスを生む問題は、産業革命以降の機械化の歴史のなかで人類がしばしば経験してきたことですが、コンピューターで特徴的なのは知的作業の多くをコンピューターに依存し始めていることです。特に最近の人工知能(Artificial Intelligence, AI)の急速な発展は、コンピューターの使用者であるはずの人間が、逆にコンピューターに使われかねない状況を生じており、今後多くの勤労者が気づかぬうちにテクノストレス症にかかることが懸念されます。